こんにちは!東伏見整形外科です。
今回は「鎖骨骨折」についてご紹介します。
鎖骨骨折は、日常生活やスポーツ転倒事故などで比較的よく見られるケガのひとつです。
特に小児や若年層、また高齢者にも多く見られます。
鎖骨骨折とは?
鎖骨(さこつ)は、胸の上部、首の下にあるS字型の骨で、肩と胸骨(胸の中央)をつないでいます。
腕や肩の動きに重要な役割を果たしており、
転倒などの衝撃で折れやすい部位でもあります。
主な原因
•転倒:自転車やバイクでの転倒、スキー・スノーボード中の転倒など。
•スポーツ外傷:ラグビーや柔道、サッカーなど接触の多いスポーツ。
•交通事故:車やバイクの事故による強い衝撃。
•高齢者の転倒:骨粗鬆症により骨がもろくなっている場合もあります。
症状
•鎖骨の上あたりに激しい痛み
•腫れや皮下出血(あざ)
•肩がだらんと下がる
•骨が浮き出て見える、もしくは変形している
•腕を動かすと強い痛みがある
診断方法
•視診・触診:見た目の変形や腫れ、圧痛を確認。
•レントゲン撮影:骨折の位置やずれの有無を確認。
•必要に応じてCT検査を行うこともあります。
治療法
保存療法(手術しない治療)
•バンドや三角巾で固定
骨のずれが少ない場合、固定して自然治癒を待ちます。
•安静と痛み止め
痛みのコントロールをしながら回復を見守ります。
•リハビリ
骨が癒合しはじめたら、肩や腕の動きを回復するためにリハビリを行います。
手術療法
•骨が大きくずれている
•骨が皮膚を突き破っている(開放骨折)
•複雑骨折で自然治癒が難しいと判断される場合
プレートやスクリューを使って骨を元の位置に固定します。
治癒までの期間
•保存療法→約6〜8週間
•手術療法→約4〜6週間で骨の癒合が期待できますが、
完全な回復まではリハビリが必要です。
日常生活での注意点
•無理な動きや重いものを持たない
•痛みが続く場合は早めの受診を
•治癒後もしばらくは肩に負担をかけすぎない
最後に
鎖骨骨折は適切な治療を受けることでしっかり治るケガですが、
放置してしまうと肩の動きに支障が出たり、
骨が変形して癒合してしまうこともあります。
「転んで肩を強く打った」「鎖骨が出っ張って見える」「腕が動かせない」などの症状がある場合は、
早めに整形外科にご相談ください。