こんにちは!東伏見整形外科です!
本日、柔道で肩を打撲した患者さんが来院しました。
柔道で肩から落ちると肩鎖関節という部分を怪我してしまいます。。
今回は肩鎖関節について説明致します!
肩鎖関節(けんさかんせつ)は、肩の一部であり、鎖骨(さこつ)と肩甲骨の肩峰(けんほう)との間に形成される関節です。この関節は、肩の動きにおいて重要な役割を果たしており、特に上肢の動きに関与しています。肩鎖関節は、主に靭帯で安定が保たれており、動きが少ない関節の一つですが、それでも肩の運動において重要な役割を担っています。
### 肩鎖関節の構造
肩鎖関節は、次の2つの骨が関与しています:
1. **鎖骨(さこつ)**: 胸骨と連結し、肩甲骨と結びつく骨です。
2. **肩甲骨の肩峰(けんほう)**: 肩甲骨の上部に位置し、肩鎖関節の形成に関与します。
この2つの骨の間を結んでいるのが靭帯です。主に以下の靭帯があります:
- **肩鎖靭帯**: 鎖骨と肩峰を結ぶ靭帯で、関節の安定性を提供します。
- **三角靭帯**: 上部に位置する靭帯で、肩鎖関節を補強します。
### 肩鎖関節の機能
肩鎖関節は、肩甲骨と鎖骨の間の接続を確保し、肩甲骨が肩の動きに合わせて適切に動くことを可能にします。この関節が適切に機能することで、腕を上げたり、前に伸ばしたりする動作がスムーズに行えます。
特に肩鎖関節は、腕を動かすときに肩甲骨を調整する役割を持ちます。肩を上げるとき、肩甲骨はわずかに回転しますが、その動きが肩鎖関節の安定性と調和して行われます。
### 肩鎖関節の障害
肩鎖関節は比較的動きが少ない関節ですが、過度の負担や外的な衝撃、事故などによって損傷を受けることがあります。以下のような障害が一般的です:
1. **肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)**:
- 外的な衝撃や転倒、スポーツ活動中の事故で起こりやすいです。
- 肩鎖関節が脱臼すると、鎖骨が肩峰の上に移動し、痛みと腫れが現れます。
2. **肩鎖関節炎(けんさかんせつえん)**:
- 加齢や慢性的な負担、または関節にかかる反復的なストレスが原因で炎症が生じます。
- 肩鎖関節炎は、痛みや可動域制限を引き起こすことがあります。
3. **靭帯損傷**:
- 肩鎖関節を支持する靭帯が損傷すると、安定性が失われ、痛みや可動域の制限が生じます。
### 診断と治療
肩鎖関節の問題が疑われる場合、診断は通常、身体的な評価とともに、X線検査やMRIなどの画像診断によって行われます。治療方法は、障害の程度に応じて異なります。
1. **保存療法**:
- 軽度の肩鎖関節の損傷や炎症には、安静、アイシング、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などが用いられることがあります。
- リハビリテーションや物理療法も回復を助けることがあります。
2. **手術**:
- 重度の肩鎖関節脱臼や関節の損傷がある場合、手術が必要になることがあります。
- 手術では、関節を安定させるために靭帯を修復したり、関節を再建することが行われます。
肩鎖関節は、肩の動きにおいて重要な役割を果たしているため、この関節に問題が生じると日常生活に支障をきたすことが多いです。そのため、早期の診断と適切な治療が重要です。