こんにちは。東伏見整形外科です。
本日は、スポーツや日常動作の中で発症することがある「大腿二頭筋断裂」についてご紹介します。
■ 大腿二頭筋ってどこにある筋肉?
大腿二頭筋は、太ももの裏側にある筋肉で「ハムストリングス」と呼ばれる筋肉群のひとつです。
股関節を伸ばしたり、膝を曲げたりする働きがあり、日常の歩行からスポーツのスプリント動作、
ジャンプ、切り返し動作などに関与しています。
■ 大腿二頭筋断裂の原因とは?
大腿二頭筋の断裂は、以下のような状況で発生しやすくなります。
•急激なダッシュやストップ動作
•ジャンプからの着地
•キック動作中
•ウォーミングアップ不足や筋疲労が蓄積している時
特にスポーツ選手に多く、サッカー、陸上競技、ラグビー、テニスなどで発症例がよく見られます。
■ 症状の特徴
•突然「ブチッ」という音や感覚とともに激痛が走る
•太ももの裏側に腫れや内出血がみられる
•膝を曲げたり伸ばしたりする動作が困難になる
•重症例では、筋肉の断裂部にへこみを触れることがある
軽度な筋肉損傷(肉離れ)から、完全断裂まで程度は様々です。
■ 診断方法
•問診と視診・触診:受傷時の状況、音や感覚、腫れや圧痛の部位を確認。
•徒手検査:膝屈曲力の低下、痛みの出方などを評価。
•エコー検査(超音波)やMRI検査:損傷の程度や位置をより正確に判断するために用います。
■ 治療方法
◎ 保存療法(部分断裂の場合)
•RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)
•消炎鎮痛処置(電気治療・アイシング)
•松葉杖による免荷(必要に応じて)
•物理療法、運動療法による機能回復
•ストレッチ・筋力トレーニング
※保存療法でも完全回復する例が多く、焦らず段階的なリハビリが重要です。
◎ 手術療法(完全断裂や高度な損傷)
•特に筋腱移行部での完全断裂の場合や、アスリートで早期復帰が必要なケースでは
手術が選択されることもあります。
■ 予防のポイント
•運動前のストレッチや準備運動を十分に行う
•筋肉の柔軟性と筋力バランスを整える
•疲労が蓄積している時は無理をしない
•ハムストリングスと大腿四頭筋のバランスを保つトレーニング
■ 最後に
大腿二頭筋断裂は、日常生活からスポーツ現場まで幅広く発症する可能性があります。
特に一度ケガをされた方は、再発のリスクもあるため、早期診断と適切なリハビリが重要です。
太もも裏に違和感を感じたら、無理をせずお早めに当院までご相談ください。