こんにちは!東伏見整形外科です!
今回は当院に来院されることの多い、変形性股関節症についてお話します。
「歩くと股関節が痛い」「あぐらをかけなくなった」
そんな症状がある方は、**変形性股関節症(へんけいせい・こかんせつしょう)**かもしれません。
この病気は、関節の軟骨がすり減って骨が変形し、痛みや動かしにくさが出る疾患です。
変形性股関節症とは?
股関節は、骨盤の「受け皿」と太ももの骨の「丸い骨頭」が組み合わさった関節です。
この間には「関節軟骨」というクッションがあり、スムーズに動くようになっています。
しかし、長年の使いすぎや加齢によってこの軟骨がすり減ると、骨と骨が直接こすれ合い痛みや炎症が起こります。
これが「変形性股関節症」です。
なぜ起こるの?
原因は人によってさまざまですが、主に次のようなものがあります。
*先天的に股関節の形が浅い(臼蓋形成不全)
*過去のケガ(骨折・脱臼)**
*加齢による軟骨のすり減り**
*肥満などによる股関節への負担**
*遺伝的な体質**
日本では、特に女性に多い病気です。
これは、女性に「臼蓋形成不全(うつがいけいせいふぜん)」という股関節の浅い形をもつ人が多いからだといわれています。
症状の進み方
変形性股関節症は、ゆっくり進行していきます。
代表的な症状は次の通りです。
| ステージ | 主な症状 |
| 初期 | 立ち上がる時や歩きはじめに痛む(休むと楽になる) |
| 中期 | 歩行中の痛み、正座・あぐらが難しくなる |
| 末期 | 安静時にも痛み、歩行がつらくなる。脚の長さが変わることも |
「最近、靴下が履きにくい」「階段がつらい」といった違和感も、初期のサインかもしれません。
診断方法
整形外科を受診すると、次のような検査を行います。
*レントゲン**:骨の変形や軟骨のすり減りを確認
*MRI**:軟骨や骨の状態を詳しく見る
*CT**:骨の形を立体的にチェック
早期に診断を受けることで、進行を抑える治療が可能になります。
治療法
症状の進み具合によって治療法は変わります。
保存療法(手術をしない治療)
*体重コントロール**(減量で関節の負担を軽く)
*運動療法**(太ももやお尻の筋肉を鍛える)
*痛み止め(NSAIDs)や湿布**
*杖の使用**
*温熱療法やヒアルロン酸注射**
特に大切なのは、**股関節を支える筋肉(中殿筋など)を鍛えること**。
強い筋肉があれば、関節への負担を減らせます。
手術療法(症状が進んだ場合)
痛みが強く、日常生活に支障がある場合は手術が検討されます。
*骨切り術*:骨の角度を変えて関節の負担を軽減(若年者向け)
*人工股関節置換術(THA)*:変形した関節を人工のものに置き換える(痛みが大きく改善)
手術後はリハビリを行い、数週間〜数ヶ月で歩行が安定していきます。
日常生活の工夫
* 深くしゃがむ姿勢(正座・あぐら)は避ける
* 高めの椅子やベッドを使う
* 階段は手すりを使って一段ずつ
* 太ももの横の筋肉(中殿筋)を鍛える
* 体重を増やしすぎないよう食事に注意
まとめ
変形性股関節症は、**早めに気づいて対処すれば進行を抑えることができる病気**です。
「痛みがあるけど年のせい」と放っておかず、まずは整形外科で相談してみましょう。
股関節は進行すると手術適応になる方が多い疾患です。
当院から股関節専門の病院に紹介する事も可能ですので、股関節の痛みがある方は
一度当院にご相談下さい。






