舟状骨骨折とは?手首をついた後の痛みに注意!症状・原因・治療方法を詳しく解説
転んで手をついた後、手首の親指側に痛みが出たことはありませんか?
その痛みは、単なる打撲や捻挫ではなく、舟状骨骨折(しゅうじょうこつこっせつ)の可能性があります。
舟状骨骨折は、手首にある小さな骨が折れるケガです。骨折していても腫れが少なく、痛みも強くない場合があるため、見逃されやすい骨折の一つです。
今回は、舟状骨骨折の原因や症状、検査方法、治療方法、注意点について、整形外科の視点から分かりやすく解説します。
1.舟状骨とは?
舟状骨は、手首にある8個の手根骨のうちの一つで、親指側に位置しています。手首の動きや安定性に関わる重要な骨です。
手首の親指側にあるくぼみ(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)付近を押すと痛みが出る場合、舟状骨骨折が疑われます。
2.舟状骨骨折の原因
舟状骨骨折は、次のような場面で起こります。
- 転倒して手のひらを地面についた
- 自転車やバイクで転倒した
- スポーツ中に転んで手をついた
- 交通事故で手首に強い力が加わった
特に、手首を反らした状態で手のひらをつくと、舟状骨に強い力が加わり、骨折することがあります。
子どもから大人まで起こりますが、スポーツや転倒などで手をつく機会の多い方にも注意が必要です。
3.舟状骨骨折の症状
主な症状は、手首の親指側の痛みです。
- 親指の付け根から手首にかけて痛む
- 手首を動かすと痛い
- 物を握ったり、持ち上げたりすると痛む
- 親指側の手首を押すと痛い
- 手首が少し腫れる
舟状骨骨折では、骨折していても腫れや内出血が目立たないことがあります。また、受傷直後は痛みが軽く、手首を動かせる場合もあります。
手首をついた後に親指側の痛みが続く場合は、痛みが軽くても放置せず、整形外科を受診しましょう。
4.舟状骨骨折が見逃されやすい理由
舟状骨骨折の注意点は、初回のレントゲン検査では骨折がはっきり確認できない場合があることです。
骨折の位置や程度によっては、受傷直後の画像では骨折線が分かりにくいことがあります。
そのため、レントゲンで異常が見つからなくても、診察で骨折が疑われる場合には注意が必要です。
必要に応じて、再度のレントゲン検査やCT・MRIなどの精密検査を行います。骨折が疑われる場合は、診断が確定するまで手首を保護することも重要です。
5.舟状骨骨折の治療方法
治療方法は、骨折の位置やずれの程度、骨がくっつく見込みなどによって異なります。
① ギプスや装具による固定
骨折のずれが少なく、手術を必要としない場合には、ギプスや装具で手首を固定します。
骨折の状態によっては親指も含めて固定することがあります。固定期間は骨折の部位や治癒の進み具合によって異なり、数週間から数か月かかる場合もあります。
痛みが軽くなっても、自己判断で固定を外さず、医師の指示に従いましょう。
② 手術による治療
骨折のずれが大きい場合や、骨がくっつきにくい場合、骨折の状態によっては手術を検討します。
一般的には、金属製のスクリューなどで骨を固定する方法があります。
手術が必要かどうかは、画像検査や診察結果をもとに判断します。
6.舟状骨骨折で特に注意したい合併症
舟状骨骨折は、ほかの骨折と比べて骨がくっつきにくいことがあります。
その理由の一つは、舟状骨への血液の流れにあります。舟状骨は血流が限られる部分があり、特に骨折する場所によっては、骨が治るまでに時間がかかることがあります。
主な合併症には、次のものがあります。
骨癒合遅延・偽関節
骨癒合遅延とは、骨がくっつくまでに通常より時間がかかる状態です。
偽関節とは、骨折した部分が十分にくっつかず、骨の連続性が回復しない状態をいいます。
骨壊死
骨への血流が悪くなることで、骨の一部が壊死することがあります。特に、手首に近い側の骨折では注意が必要です。
手首の痛みや動かしにくさ
骨が十分に治らないまま時間が経過すると、慢性的な痛みや手首の動きの制限、関節の変形につながることがあります。
こうした合併症を防ぐためにも、早期の診断と適切な固定、定期的な診察が大切です。
7.舟状骨骨折のリハビリはいつから?
リハビリを開始する時期は、骨折の状態や治療方法によって異なります。
固定中は、医師の指示のもとで固定していない指を動かすなど、必要な運動を行うことがあります。
骨が十分に治ってきたら、手首の関節の動きや筋力を回復させるためのリハビリを進めます。
ただし、骨がくっつく前に手首を無理に動かしたり、重い物を持ったりすると、治癒に悪影響を及ぼす可能性があります。
スポーツや力仕事への復帰は、痛みの程度だけで判断せず、診察や画像検査で骨の治癒を確認してから進めましょう。
8.舟状骨骨折が疑われる場合は整形外科へ
転倒して手をついた後、手首の親指側に痛みが続いている場合は、舟状骨骨折の可能性があります。
特に、次のような場合は早めに整形外科を受診しましょう。
- 手首の親指側を押すと痛い
- 手首を動かすと痛みが続く
- 転倒後から手首の痛みが改善しない
- レントゲンで異常なしと言われたが、痛みが続いている
舟状骨骨折は、早期に発見して適切な治療を行うことが重要です。
「少し痛いだけだから大丈夫」と自己判断せず、気になる症状がある場合は医療機関に相談しましょう。
まとめ
舟状骨骨折は、転倒して手をついた際などに起こる、手首の親指側の骨折です。
腫れが少なく、初回のレントゲン検査で骨折が分からない場合もあるため、見逃しに注意が必要です。また、骨がくっつきにくいという特徴があり、放置すると慢性的な痛みや手首の機能障害につながる可能性があります。
手首をついた後に親指側の痛みが続く場合は、早めに整形外科を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。






