骨折後の固定は、なぜ少し曲げた状態なの?~機能肢位(きのうしい)とは~
こんにちは!東伏見整形外科です!!今回は骨折した際の固定に関してのお話です!
「どうして真っすぐではなく、曲げた状態で固定するの?」
骨折をすると、ギプスやシーネで固定することがあります。
「なぜ肘や指、手首は少し曲げた状態で固定されるの?」
と疑問に思ったことはありませんか?
実は、この姿勢には骨をしっかり治し、治療後も関節を動かしやすくするための大切な理由があります。
機能肢位(きのうしい)とは?
整形外科では、関節を日常生活で最も使いやすく、筋肉や靭帯への負担が少ない角度で固定することが多く、この姿勢を**「機能肢位(機能的肢位)」**と呼びます。
例えば、
- 肘:約90度曲げた状態
- 手首:少し反らせた状態
- 指:軽く握るような状態
などが代表的な機能肢位です。
なぜ少し曲げて固定するの?
① 関節が硬くなりにくい
骨折後は数週間固定するため、関節を動かせない期間が続きます。
完全に伸ばした状態や強く曲げた状態で固定すると、関節や靭帯が硬くなり、リハビリを始めても曲げ伸ばしが難しくなることがあります。
少し曲げた自然な姿勢で固定することで、関節が硬くなりにくく、動きを取り戻しやすくなります。
② 筋肉や腱への負担を減らす
筋肉や腱は、長期間伸ばされたまま・縮んだままだと硬くなってしまいます。
機能肢位で固定すると、筋肉や腱が自然な長さに保たれやすく、固定後のリハビリがスムーズになります。
③ 骨折した骨を安定させる
骨折の種類によっては、関節を少し曲げることで周囲の筋肉の引っ張る力が弱くなり、骨折部がずれにくくなることがあります。
そのため、骨がきれいな位置で治りやすくなります。
④ 日常生活が送りやすい
例えば腕を90度程度曲げた状態なら、
- 食事
- 着替え
- 洗顔
- 歯磨き
などが比較的行いやすくなります。
また、手の骨折では指を軽く握る姿勢で固定することで、治療後に「握る・開く」動作がしやすくなります。
すべての骨折で曲げるわけではありません
固定する角度は、
- 骨折した部位
- 骨折の種類
- 骨のずれ具合
- 年齢や活動性
などを考慮して決められます。
そのため、骨折によってはまっすぐ伸ばした状態や、別の角度で固定したほうが良い場合もあります。
リハビリとの関係
ギプスを外した直後は、多くの方が
- 「関節が曲がらない」
- 「動きが悪い」
- 「筋力が落ちた」
と感じます。
これは固定によって関節や筋肉が硬くなっているためです。
適切なタイミングでリハビリを行うことで、徐々に関節の動きや筋力を回復させることができます。
まとめ
骨折後に少し曲げた状態で固定するのは、「骨を治すこと」と「関節の動きを守ること」の両方を考えた固定方法だからです。
機能肢位で固定することで、
- 関節が硬くなりにくい
- 筋肉や腱の柔軟性を保ちやすい
- 骨折部が安定しやすい
- リハビリ後の回復がスムーズになる
といったメリットがあります。
骨折の治療は「骨がつけば終わり」ではありません。適切な固定とリハビリを行うことで、痛みの少ない日常生活への早期復帰につながります。骨折後の違和感や関節の動きが気になる場合は、早めに整形外科へご相談ください。






