筋肉痛ってなぜ起こる??運動した翌日に痛くなる理由
「久しぶりに運動したら、次の日に太ももが痛い!」
「筋トレをした翌日、階段を下りるのがつらい……」
誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
このような運動後の筋肉の痛みを、一般的に**「筋肉痛」**と呼びます。
では、なぜ運動した直後ではなく、数時間~翌日、場合によっては2~3日後に痛くなるのでしょうか?
今回は、筋肉痛が起こる仕組みについて、整形外科の視点から簡単に解説します。
筋肉痛には「すぐ痛むもの」と「後から痛むもの」があります
筋肉痛と一言でいっても、実は大きく分けて考えることができます。
① 運動中・運動直後に起こる筋肉の痛み
激しい運動をしている最中や、運動直後に筋肉が張ったり痛くなったりすることがあります。
これは、筋肉への急激な負荷や疲労などが関係しています。
② 翌日~数日後に起こる筋肉痛
こちらは**「遅発性筋肉痛(DOMS)」**と呼ばれます。
一般的にイメージする「筋肉痛」の多くはこちらです。
特に、普段あまり運動していない人が急に運動した場合や、いつもと違う運動をした場合に起こりやすくなります。
なぜ「翌日」に痛くなるの?
筋肉痛が遅れて出てくる理由は、単純に「筋肉に疲労物質がたまったから」というだけではありません。
現在では、運動によって筋肉や筋肉周囲の組織に負荷がかかり、その後の炎症反応や神経の反応などが痛みに関係していると考えられています。
特に関係が深いのが、筋肉が**「伸ばされながら力を発揮する運動」**です。
これを遠心性収縮といいます。
例えば、
- 階段を下りる
- 坂道を下る
- スクワットでゆっくり腰を下ろす
- 重い荷物をゆっくり下ろす
- 久しぶりにランニングをする
などです。
こうした運動では筋肉に大きな負荷がかかり、筋肉や周囲の組織に微細な変化が起こります。その後、炎症や痛みに関係する物質・神経反応などが関与して、痛みや筋肉の張りを感じるようになります。
「筋肉痛=乳酸がたまった」は本当?
昔は、
「運動すると乳酸がたまる → それが筋肉痛の原因になる」
と説明されることがよくありました。
しかし、現在では、運動の翌日などに起こる遅発性筋肉痛の主な原因を「乳酸がたまったから」とする考え方は支持されていません。
筋肉痛には、筋肉や結合組織への負荷、その後の炎症反応、痛みを感じる神経の反応など、さまざまな要素が関係しています。
つまり、
「筋肉痛=乳酸がたまった」ではありません。
ということです。
筋肉痛はどのくらいで治る?
通常の運動による筋肉痛は、時間とともに自然に改善していくことが多いです。
一般的には、
運動後12~48時間程度で痛みが強くなり、その後徐々に改善
していきます。
ただし、運動の強さや普段の運動習慣によって個人差があります。
久しぶりに激しい運動をした場合には、数日間痛みが続くこともあります。
筋肉痛があるときは運動してもいい?
筋肉痛が軽い場合には、完全に動かさないよりも、痛みが強くならない範囲で軽く体を動かすことが楽になる場合があります。
例えば、
- 軽いウォーキング
- 軽い体操
- 無理のない範囲での関節運動
などです。
ただし、強い痛みがある状態で無理に筋トレやスポーツをするのはおすすめできません。
痛みが強いときは、筋肉を休ませながら、少しずつ普段の活動に戻していきましょう。
筋肉痛と「肉離れ」は違います
ここは非常に重要です。
運動後に痛みが出たからといって、すべてが筋肉痛とは限りません。
筋肉痛の場合
- 運動後しばらくしてから痛くなる
- 両側の筋肉が痛くなることがある
- 筋肉全体が張ったように痛む
- 数日かけて徐々に改善する
といった特徴があります。
一方、**肉離れ(筋損傷)**では、
- 運動中に「ブチッ」「ピキッ」とした痛み
- 特定の場所に強い痛み
- 腫れや内出血
- 歩くことが難しい
- 力を入れると強く痛む
などがみられることがあります。
このような場合は、単なる筋肉痛ではなく、筋肉の損傷が起きている可能性があります。
こんな筋肉の痛みは整形外科へ
次のような症状がある場合は、「ただの筋肉痛」と自己判断しないことが大切です。
- 強い痛みが続いている
- 痛みがどんどん悪化している
- 腫れや内出血がある
- 歩くことが難しい
- 力が入りにくい
- 運動中に突然強い痛みが出た
- 数日たっても改善しない
- 運動していないのに強い筋肉痛がある
このような場合には、肉離れなどの筋損傷や、ほかの病気が隠れている可能性もあります。
筋肉痛は「体が頑張ったサイン」
筋肉痛は、普段使っていない筋肉を使ったり、いつもより強い負荷をかけたりしたときに起こりやすいものです。
特に、
「久しぶりの運動」
「急に運動量を増やした」
「いつもと違う運動をした」
ときには注意が必要です。
運動は健康維持のために非常に大切ですが、急に頑張りすぎると筋肉や関節に負担がかかります。
最初は無理をせず、少しずつ運動量を増やしていくことが、筋肉痛やスポーツ障害の予防につながります。
「運動したら痛くなったけど、これは筋肉痛?それとも肉離れ?」
と判断に迷う場合は、無理をせず整形外科にご相談ください。






